トピックス 耳小骨連鎖再建術
人工耳小骨によるOssiculoplasty
山本 悦生
1
1神戸市立中央市民病院耳鼻咽喉科
pp.581-587
発行日 1992年8月20日
Published Date 1992/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902679
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はじめに
耳小骨連鎖が慢性中耳炎の病変により破壊されていたり,先天性に欠損している場合に,耳小骨形成が行われる。その形成材料としては,人間の耳小骨(自家あるいは保存同種耳小骨)が最適で,術後の成績も良好である。しかし,先天性奇形はもともと耳小骨は欠損しているし,真珠腫などの高度の病変がある中耳炎では,耳小骨にも病変が及んでいて,本人のものは使用できない。また,保存骨は数多く常備するのが困難である。かような場合に使用される人工耳小骨としては,従来,金属材料(ステンレススチール,タンタルムなど)や有機材料(ポリエチレン,シリコン,テフロン)で作製されたものがあるが,組織親和性,生体内安定性が悪く,排出されることが多かった。最近,第3の医川材料として登場した無機材料のセラミックスが注目を集め,人工耳小骨として多く使用されるようになった。以下,セラミック製人工耳小骨について述べる。
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