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最近global standardという言葉をよく耳にする。TVなどのマス・メディアでもいろいろな職種の方々が使っておられるし,国会質疑などの公の場で用いられることも多いようである。英和辞典で調べると,globalはglobe (球体,天体)の形容詞で,球形の,全世界の,世界的な,包括的な,全面的な,の意である。一方,standardは規格,標準を意味するから,「global standard」は世界的な標準すなわち「国際規格」と訳すべきなのであろう。しかし和英辞典で国際規格を引くと,「international standard」であってglobalという用語は使われていない。とすると「人類共通の一般常識」「全世界において当然の事項」とでも訳すのがよいのであろうか。それらを堅苦しくなく表現する用語として,われわれ日本人には使い勝手のよい言葉ではあるが,厳密にいうと正しい英語ではないとする言語学者もいる。しかし,国際線のスチュワーデスも使っているので,既に国際用語になってしまっているのであろう。
昨年の6月に南仏カンヌで耳真珠腫に関する国際学会があり,教室の若い方々と4家族9人で南仏観光を兼ねて参加しようと相談がまとまり,私が全旅程を企画することになった。パリ市内観光を早々に済ませてから超特急TGVでアヴィニヨンに到着。ここを起点にしてフォンテーヌ・ド・ヴォクリューズ,ゴルド,ルション,セナンクなど芳香最盛期のラベンダー街道沿いに点在するリュベロン地方の村々を堪能した。そこからニースへ移動し,バスとローカル鉄道を利用してフェラ岬のロスチルド邸別荘地サン・ジャン・カップ・フェラからサン・ジャン湾沿いの遊歩道を下って気候温暖な保養地ボリュー・シュル・メール,ヴィルフランシュ・シュル・メールなどパステルカラー一杯の港町を楽しんだのであった。しかし学会前の短いスケジュールであったので,たった2泊しかできず後ろ髪を引かれる思いで通過してしまったパリへの思いを断ち切れず,今年こそは花の都を心ゆくまで楽しもうということになり家内と計画を練り直し,勇躍出発したのである。
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