特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科における手術の危険度
頸部
38.顎下腺腫瘍摘出術(良性・悪性)
岩井 大
1
,
山下 敏夫
1
1関西医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.181-185
発行日 2002年4月30日
Published Date 2002/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902556
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はじめに
顎下腺は,ワルトン管を排泄管とする大唾液腺であり,下顎骨下縁と顎二腹筋前・後腹,茎突舌骨筋,中咽頭収縮筋によって構成される顎下三角内に存在する。顎下腺腫瘍摘出術は,腫瘍を顎下腺とともにen blocに摘出する手術であり,たとえ腫瘍が良性でも核出術はされない。また,顎下腺腫瘍の半数近くが悪性とされ,周囲への癒着や浸潤が問題となりやすい。したがって,顎下腺とその周囲の解剖を熟知し,また,術中・術後の合併症を念頭に入れ手術することが重要となる。
なお,顎下腺悪性腫瘍に対して行われる頸部郭清術については他稿に譲りたい。
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