特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科における手術の危険度
口腔咽頭
24.口蓋扁桃摘出術・アデノイド切除術
原渕 保明
1
,
今田 正信
1
1旭川医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.113-118
発行日 2002年4月30日
Published Date 2002/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902542
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はじめに
口蓋扁桃摘出術,アデノイド切除術は,耳鼻咽喉科領域の手術の中で最も頻繁に行われる手術の1つである。一般に小手術と思われがちであり,合併症に対する心構えもおろそかになる傾向がある。しかし,実際には手術侵襲は意外と高く,かつて局所麻酔下で行われていた時代には,耳鼻咽喉科領域の診療事故死の1/3を占めていた。最近,全身麻酔下に行う施設が多くなるにつれてその頻度は減少してきたが,本手術の特殊性,すなわち開放創のまま終えること,気道と密接に関係している部位であること,また幼小児に対して施行することが多いことなどを考慮すると,決して安易に考えてはならない手術である。合併症に対する処置,対応を迅速に行わなければ致死的な結果となることもある。
本稿では,口蓋扁桃摘出術とアデノイド切除術における術中合併症および術後合併症とその予防,処置について述べる。
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