特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科における手術の危険度
耳
4.鼓膜形成術(接着法)
湯浅 涼
1,2
1中耳サージセンター
2将監耳鼻咽喉科
pp.20-24
発行日 2002年4月30日
Published Date 2002/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902522
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はじめに
接着法が開発されてから10余年が経過し,術式の簡素化にもかかわらず術後成績が従来の方法に遜色ないことが実証され1),また,海外の手術書にも掲載されている2)。現在,本法は「日帰り」もしくは「短期入院」による鼓膜形成術として全国的に定着し,minimally invasive surgeryの普及を促進させてきた。一方,術式の簡素化により,手軽に鼓膜形成術が行われるようになった反面,術によるリスクも当然散見されるようになってきた。本法の全国規模の普及に対して,40年前,鼓室形成術がわが国に導入された頃の中耳手術に対する不信感の再現を危惧する意見も否定できない。
このような観点から本稿では手想される術中,術後におけるリスクならびにそれらの対処法について記述する。
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