鏡下咡語
問題解決型セクレタリーワーク
加我 君孝
1
1東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.926-927
発行日 2001年12月20日
Published Date 2001/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902460
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今年の博多の耳鼻咽喉科学会理事会でのことである。お隣に座られた東邦大学小田恂教授に,私の秘書が用意してくれた5日間のスケジュール表をお見せした。「このように,私が何をすることになっているか一覧表にしてあるのです。各曜日にはその日の会合の案内や招待状,抄録などがホッチキスでとめてあります。学会のプログラム抄録集に沢山の付せんが貼ってあります。私共の教室関係の発表のところに付けてあるのです。スケジュールも付せんも私が指示したことではありません。彼女が自発的にやってくれるのです。おかげで,私の仕事や活動はスケジュールに沿って間違いがほとんどなくなり,心理的にも安心です。彼女のよく工夫された仕事をぶりを私は“問題解決型セクレタリーワーク”と呼ぶことにしています」と述べたところ,ぜひ本誌の「鏡下囁語」にと寄稿を依頼された。私も,新たに秘書を持った先生にぜひとも私の秘書のマナーとセクレタリーワークを見学に来てはどうかとしばしば言ってきたので,この随筆をその代わりにしたいと思う。
昨年の暮れに秘書の採用のために面接と小テストを行った。私にとっては4人目の秘書の採用で,よい方を得たいという強い願いから,面接は私以外に医局長,女性医局員の3人で行った。私は一般的な質問をし,医局長はパソコンの経験,女性医局員は「秘書にとって重要な資質をどのように考えていますか」という質問をした。私共がベストとした現在の秘書Sさんは,最後の質問に「秘密と機転です」と答えた。
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