書評
問題解決型救急初期検査
上條 吉人
1
1北里大・救命救急医学
pp.859
発行日 2010年5月10日
Published Date 2010/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104467
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ただただ,これだけの本を一人で書き上げた著者に脱帽の思いである.私もこれまで単著を上梓してきた自負はあるが,あくまでも救急領域の一分野に限定された内容である.ところが,本著のタイトルには「救急」と冠されてはいるが,内容は救急領域を遥かに超えた幅広い分野に及んでいる.しかも,本著からは,著者の豊富な臨床経験ばかりでなく,広く深く正確な知識をもたらした著者の猛烈な知的欲求がにじみ出ている.「いったい何者だ?」という思いで著者の略歴を見て,合点した.物理学を学んだ後に,医学を志し,さらに,臨床医として,インターナショナルに切磋琢磨され,著者が「戦場」と譬えた「救急医療現場」に飛び込んだ経歴の持ち主である.著者にお会いしたことはないが,とにかく並外れた「熱い心」と「エネルギー」の持ち主であることは容易に想像がつく.
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