特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の新しい器械,器具
Ⅲ.内視鏡
1)耳科領域
高橋 姿
1
,
橋本 茂久
1
1新潟大学医学部耳鼻咽喉科学講座
pp.79-83
発行日 2001年4月30日
Published Date 2001/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902351
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はじめに
鼓室形成術の歴史は双眼手術用顕微鏡の開発に伴って始まり,その発展に呼応して手技や術式が開発されてきた。現在でも耳科手術を手術用顕微鏡下に行うことが主流であることは論ずるまでもない。しかし,耳科手術は側頭骨という硬組織の手術であり,その中には内耳や顔面神経などの重要な組織を有する。したがって,これらの副損傷の回避や術後に形成される鼓室腔を考慮すると削開不能な部位ができ,そのため死角を生じ病変の点検,清掃が不十分になる問題は常にいわれてきた。
このようなときに耳科内視鏡を併用することは,最小限の削開により顕微鏡では得られない部位の視野を確保でき,極めて有用と考えられる。
本稿では現在使用されている耳科内視鏡の器具の解説,使用方法,メリットとデメリットについて解説する。
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