特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の新しい器械,器具
Ⅲ.内視鏡
2)鼻科領域
伊藤 尚
1
1大阪医科大学耳鼻咽喉科教室
pp.84-89
発行日 2001年4月30日
Published Date 2001/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902352
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はじめに
肉眼で観察していた鼻内所見に比べて,内視鏡の出現は鼻・副鼻腔の観察に大きな変革をもたらした。前鼻鏡検査では,せいぜい中鼻道,嗅裂,総鼻道の前半部までしか観察できず,また後鼻鏡検査でも後鼻孔と鼻甲介の後端部までしか観察できなかった。上顎洞自然孔,蝶形骨洞自然孔などは肉眼では不可能であった。しかし,内視鏡を用いると,鼻腔のほぼ全体と上顎洞自然孔および蝶形骨洞自然孔などの観察が可能である。また,病変をすばやく把握でき,正確に診断できるようになった。鼻内視鏡といえば,通常硬性鏡をさすことが多く,本稿では硬性鏡を中心に述べる。
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