トピックス 今話題の花粉症
5.Oral allergy syndrome (口腔アレルギー症候群)
荻野 敏
1
1大阪大学医学部保健学科
pp.117-120
発行日 2001年2月20日
Published Date 2001/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902305
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はじめに
特定の食物摂取後に,咽喉頭にかゆみ,イガイガ感などの異常感や,口唇,口腔内の腫脹,かゆみなど即時型反応と思われる症状を呈する症例がある。多くは果実(果肉)によって起こり,ある種の花粉症との関連が注目されている。このような疾患をoral allergy syndrome (口腔アレルギー症候群:OASと略)といい,北欧ではシラカンバ花粉症にOASの合併頻度が高いことが知られている1)。
最近,わが国においても北海道のシラカンバ花粉症2〜4),他の地域でもハンノキ5)やスギ花粉症6,7)とOASとの関連を検討した多くの報告がみられている。特殊な疾患と考えられがちであるが,実際の日常診療においても詳細な問診を行えば,かなりの頻度で経験する可能性がある。正確な診断が最も重要であることから,今回OASの概要について報告する。
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