特集 全身疾患と耳鼻咽喉科
Ⅷ.感染症・腫瘍・その他
6.トキソプラズマと耳鼻咽喉科
竹内 裕美
1
1鳥取大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.207-210
発行日 2000年4月30日
Published Date 2000/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902178
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はじめに
原虫類に属するトキソプラズマ(Toxoplasmagondii)は世界に広く分布し,ヒトのほかにブタやヒツジなどの家畜にも被害を与える人畜共通疾患(zoonosis)の重要な原因寄生虫の1つである。トキソプラズマ症は大きく先天性感染と後天性感染に分けられ,耳鼻咽喉科領域で主に問題となるものは後天性感染によるリンパ節炎(toxoplasmiclymphadenitis)と免疫能低下時の脳炎や全身感染(disseminated toxoplasmosis)である(表1)。
本稿ではトキソプラズマ症についてリンパ節炎を中心に解説する。
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