特集 全身疾患と耳鼻咽喉科
Ⅲ.内分泌・代謝障害
2.糖尿病と耳鼻咽喉科
小谷野 肇
1
,
河盛 隆造
1
1順天堂大学医学部内科学教室
pp.90-98
発行日 2000年4月30日
Published Date 2000/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902156
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はじめに
糖尿病患者数は,生活環境の変化に従って年々増加傾向にあると考えられている。1997年の厚生省「糖尿病実態調査」によれば,「糖尿病が強く疑われる人」と「糖尿病の可能性が否定できない人」とを合わせたわが国の耐糖能異常者は国民全体の11%,1,370万人に達すると推測される。
一方,糖尿病は「糖の流れ」の乱れによる,全身性の「血管病」と考えられる。持続する高血糖は糖尿病性小血管病変,動脈硬化を発症,進展させる。厳格な血糖管理がなされなければその影響は全身に及ぶ。また,血糖管理とは,単に薬剤の投与量を調節するだけでなく,患者の生活全般に及ぶものである。
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