トピックス 耳鼻咽喉科医のための甲状腺疾患
甲状腺機能亢進症と低下症
窪田 哲昭
1
1昭和大学藤が丘病院耳鼻咽喉科
pp.437-441
発行日 1991年6月20日
Published Date 1991/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900294
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I.甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症は甲状腺でホルモンの合成分泌が亢進し,血中の甲状腺ホルモン濃度が高値となって甲状腺中毒症をきたす疾患である。また甲状腺中毒症とは甲状腺機能のいかんを問わず甲状腺ホルモンの過剰に対して末梢組織が反応した結果起こる病態のことをいい,これらの疾患を列挙すると表1のごとくとなる。
一般臨床ではしばしばこの両者は混同して用いられるが厳密には同一のものを指しているわけではなく,甲状腺機能亢進症は中毒症に包含されることになり,表1の①に属するものである。
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