特集 全身疾患と耳鼻咽喉科
Ⅲ.内分泌・代謝障害
4.亜急性甲状腺炎
窪田 哲昭
1
1昭和大学医学部附属藤が丘病院耳鼻咽喉科
pp.107-109
発行日 2000年4月30日
Published Date 2000/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902158
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はじめに
30歳以上の女性に多く,風邪様症状で発症し,頸部に自発痛を生じる。疼痛は,ときに耳部や顎下部に放散することがあり,耳鼻咽喉科を訪れることが多い。患者は「風邪を引いてノドが痛い」と訴えることもある。疼痛を伴う甲状腺疾患として特徴的であり,咽喉頭の炎症性疼痛と鑑別が必要である。しかし,触診を行えば甲状腺の硬結を触れ,その部に圧痛があるので診断は容易である。血沈の亢進と甲状腺中毒症が証明されれば確定的である。放置してもいずれ自然治癒する疾患であるが,疼痛,発熱,全身倦怠感があるので早期に治療して症状を改善させ,患者の不安を除くことが必要である。
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