鏡下咡語
ある鼻咽腔炎の患者さんについて
足川 力雄
1
1東京厚生年金病院・耳鼻咽喉科
pp.202-203
発行日 2000年3月20日
Published Date 2000/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902124
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1.はじめに
平成11年3月9〜10日は東京の下町,すなわち,日本橋・京橋・神田・下谷区の一部,本所・深川・向島区の大部分が米軍機の大編隊により潰滅させられてより55年目で,当時の日本の国力・戦力は零に近く,日本の制空権は米国のものであった。
東京の下町は文字通り丸焼けで,10万人前後の焼死・溺死者が出た。今でもその空襲の始まりから終りまで眼底に焼きついており,忘れることはなく,完敗であった。
その5か月後に日本は無条件降伏し,東京に占領軍が進駐してきたが,それまでの過程で地上戦がなかったのが不幸中の幸いであった。東京は明治元年と昭和20年と2回,進駐軍により占領され,それまでの政府は否定され比較的短期間ではあるが,準軍政が施行された。
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