トピックス めまい—私の考え方
3.外リンパ瘻のめまい—私の考え方
神崎 仁
1
,
五島 史行
1
,
國弘 幸伸
1
1慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.667-671
発行日 1999年9月20日
Published Date 1999/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902043
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はじめに
外リンパ瘻は外リンパ液の漏出によってめまい,難聴,耳鳴りなど様々な症状を示す疾患である。本疾患が一般的でない理由の1つには,確定診断に観血的な試験的鼓室開放術を必要とするためと思われる。ただし,試験的鼓室開放術の際に外リンパ液の漏出が認められなくても,本疾患の存在を完全に否定することにはならない。比較的誘因のはっきりした外リンパ瘻症例以外に,原因不明のめまい患者として長期間にわたり経過観察されている症例の中にも誘因が明らかでない,いわゆる特発性外リンパ瘻の存在を疑う必要がある。自験例では,1)自覚的瘻孔症状を含む瘻孔症状陽性例,2)長期間にわたる,めまいによるQOLの低下の著しい症例,3)原因不明の感音性難聴例で変動,変化が認められる症例などがある。これらの症例に対して外リンパ瘻を疑い鼓室開放術を施行した結果,20例中16例に外リンパ瘻を認め外リンパ瘻確実例と診断した。
本稿では外リンパ瘻のめまい所見,瘻孔症状検査の意義などを中心にまとめた。
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