目でみる耳鼻咽喉科
3D-CTによる甲状軟骨形成術1型の評価
箕山 学
1
,
田辺 正博
1
,
田中 信三
1
,
村岡 紀昭
2
1大阪赤十字病院耳鼻咽喉科
2大阪赤十字病院放射線科
pp.1024-1025
発行日 1996年12月20日
Published Date 1996/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901496
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片側反回神経麻痺症例の嗄声改善の1つの方法として,喉頭枠組手術が行われている1)。発声時の声門閉鎖不全の程度が中等度以下の症例は甲状軟骨形成術I型の適応,声門閉鎖不全の程度が大で声帯にレベル差のある症例は披裂軟骨内転術の適応としてきた1,2)。
声帯のレベル差は麻痺側披裂軟骨が外転位にあるために起こる現象で,披裂軟骨自体を直接内転させない限り矯正できないと考えてきたが,声帯は披裂軟骨声帯突起に付着しているので,輪状披裂関節に可動性があれば声帯後部を十分に内転させることにより披裂軟骨声帯突起も内転,下降し,レベル差も矯正可能と考えられる。甲状軟骨形成術I型の軟骨開窓部を後方にずらし,シリコンブロックの形状に工夫を加えたI型変法3)を行い,3D-CTで術後の評価を行った。
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