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中耳炎に関する一考察—炎症性メディエーターを中心に
山下 敏夫
1
,
南 豊彦
1
,
古川 昌幸
1
1関西医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.9-19
発行日 1996年1月20日
Published Date 1996/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901293
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はじめに
中耳炎は耳鼻咽喉科の日常臨床において極めて高頻度に遭遇する疾患であるが,その分類は必ずしも統一されておらず,またその病態や成因についてはいまだ不明な点も多い。しかし一方,1975年に第1回の国際滲出性中耳炎シンポジウムが開催されたのが1つの契機となり,さらに周辺基礎医学の進歩とも相俟って,最近のこの方面の研究の成果には目をみはるものがあり,多くの新しい知見が得られ,中耳炎そのものの概念が以前とかなり異なったものとなってきた。
そこで著者らは,中耳炎の分類,病態,成因,さらには各中耳炎間の相互関係について,殊にその研究の進歩の著しい炎症性メディエーター,なかでも血小板活性化因子(PAF)の関与に重点をおいて,総説的に考察を試みる。
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