特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の画像診断
2.顎・顔面
1.鼻腔・副鼻腔のCT 1)正常・炎症(副鼻腔炎),内視鏡手術とCT
大西 俊郎
1
1聖路加国際病院耳鼻咽喉科
pp.53-58
発行日 1995年11月20日
Published Date 1995/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901236
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■はじめに
近年,慢性副鼻腔炎の手術方法が鼻外手術(Cal-dwell-Luc法など)から,より生理的な鼻内手術に移行し,さらに鼻内手術に内視鏡的手術が導入され,慢性副鼻腔炎をできるだけ生理的に,かつ微細なレベルで手術することが薦められている。この方式はminimally invasive surgeryと呼ばれているが,鼻腔,副鼻腔の内視鏡的手術を施行するためには,手術前に複雑な副鼻腔の構造を正確に把握し,さらに個々の症例について,正確な解剖学的異常や病変の程度とその範囲を把握しておくことが不可欠である。
これら詳しい鼻腔,副鼻腔の状態を把握するには従来の単純撮影や断層撮影では必ずしも十分ではなく,菲薄な骨板をも写しだすCTが最も適しており,副鼻腔の内視鏡的手術にはCTが不可欠な検査とされている。ここでは内視鏡的副鼻腔手術(Endoscopic Sinus Surgery;エス,以下ESS)を施行するために必要なCT所見の読影についての基本的事項についてのべる。
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