トピックス 頭頸部領域の悪性リンパ腫
3.診断と治療—放射線科の立場から
池田 恢
1
1国立がんセンター中央病院放射線治療部
pp.203-212
発行日 1994年3月20日
Published Date 1994/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900886
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悪性リンパ腫は,耳鼻科・頭頸部領域の様々な部位から出現するので耳鼻科医にとっても無関心ではいられない疾患である。また頭頸部領域では節外性のものが多く,初発臓器に見合った特異性や病理,進展様式と関連した特徴があるのも見逃せない。放射線・化学療法(化療)の双方に感受性が高く,近年は治療成績も格段の向で上をみ,全体の60%までが治癒可能な疾患となっている。しかし,治癒を目指すには初回治療を確実に行い,再燃を生じさせないことがまず大切である。治療に際しては病理(免疫組織化学検査,細胞マーカー検査などが可能であること),画像診断,放射線治療(放治)、および化療(腫瘍内科)などとの共同作業が保証されなければならない。そのどれかが欠けている場合には治療に際して相応のハンディキャップを負うことになる。また治療に対する習熟度が要求される。
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