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はじめに
近年,環境や食生活などの変化からアレルギー性疾患の増加がクローズアップされている。鼻アレルギーに関しても厚生省の調査では3人に1人が罹患していると報告されている。鼻アレルギー患者はいったん罹患したらそのまま症状を持ち続けるのか,あるいは寛解の可能性があるのかは罹患率の面からも興味深い。
アレルギー素因をもった小児は,アレルギーマーチの概念が示すように幼少時よりアトピー性皮膚炎,気管支喘息,鼻アレルギーとその姿を変えながらも次々とアレルギー症状をおこしてゆくことが報告されている1)。一方では,成長するにつれ自然にこれらの症状が寛解してゆく例もある。その数は報告者によって幅があるが,約8.0%2)から58.3%3)といわれている。
特異的減感作療法による症状の改善,寛解については多くの報告があり,その改善率も70%〜80%と高く安定しているが,治療のために,特に初期は頻回に通院しなければならない,ショックなどの副作用の危険性がある,速効性ではない,などの欠点もある。
今回われわれは,減感作療法を継続して受けたことのない鼻アレルギー患者に対し,現在の鼻症状についてアンケート調査を行い,減感作療法を受けていない鼻アレルギー患者の症状の経過,特に自然に症状が消失,改善した例について検討した。
Spontaneous remission of the subjective sym-ptoms were studied by questionnaire in 90 patients with allergic rhinitis. The subjects were not treated by immunotherapy.
The incidence of the patients whose symptoms completely disappeared was 22.6% for children and 11.8% for adults.
The peak of the remission was around 15 year-old for children.
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