Japanese
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講座 頭頸部外科に必要な局所解剖・3
頸部の筋膜
Fasciae of the Neck
佐藤 達夫
1
1東京医科歯科大学解剖学第2講座
pp.181-188
発行日 1993年3月20日
Published Date 1993/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900688
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解剖というと,ふつう重視されるのは,骨と筋であり,内臓であり,そして血管と神経である。しかし,実際に手術を行う段階となると,標的器官とそれに出入する血管,神経の知識はもちろん不可欠ではあるに違いないにしても,それだけでは決して十分と言えまい。ふだんは脇役に甘じていた結合組織層,筋膜,リンパ系,そして自律神経等の知識が,きめのこまかい手術を行うには大切となってくるはずである。これらの系統には,実体がはっきりしていず,頼りなげで変異に富み,客観性に乏しく法則性を見出し難いという共通性が見られ,とかく成書でも冷遇されがちである。本号では,一方で頸部の枠組みをつくり,他方で脈管神経の通路を規制する筋膜について考えることにしよう。
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