Japanese
English
講座 泌尿器手術に必要な局所解剖・13
骨盤内の筋膜
Regional Anatomy for Operative Surgery of Genito-urinary Organs・13 :Fascial Structures in the Pelvis
佐藤 達夫
1
,
佐藤 健次
1
Tatsuo Sato
1
,
Kenji Sato
1
1東京医科歯科大学医学部解剖学第2講座
1Second Department of Anatomy,Faculty of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
pp.576-584
発行日 1989年7月20日
Published Date 1989/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205014
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骨盤神経叢およびリンパ管系とならんで,骨盤の癌外科ではもう一つ重要な局所解剖学の課題が大いに論議を呼んでいる。それは内臓筋膜(臓側筋膜visceral fascia)である。かつて久留(1940)1)が指摘したように,癌根治手術に際し,リンパ節鎖をその被覆筋膜とともに,"風呂敷に包んだごとき状態に摘出する"ことが推奨されるからである。近年幾つかの領域で,筋膜と脈管との層的関係の研究が活発化し,その結果,個々の部位における層構成はかなり明瞭となった。しかし,それらはその有効性を当該局所においてのみ保有した研究であって,複数領域相互にまたがる連続性と一般性をもった概念として把握されたものではない。本稿では人体の筋膜層構成の基本形態を模型化して考察し,剖出所見も供覧しながら説明を加えたいと思う。
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