交見室
膀胱下腹筋膜とGerota筋膜
徳地 弘
1
Hiromu Tokuchi
1
1大阪医療刑務所
pp.524-525
発行日 2021年6月20日
Published Date 2021/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207276
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腹腔鏡下,ロボット支援膀胱全摘除術では,臍動脈索(内側臍索)のすぐ外側で腹膜を切開する手技が一般的と思われます.最近では,三木淳先生が「腹腔鏡下膀胱全摘除術 : 女性患者」〔臨泌72(増),169-174,2018〕などで,膀胱下腹筋膜が衝立状に膀胱側腔の内側壁を形成していることを指摘されており,臍動脈索のすぐ外側で膀胱側腔を展開することで最後面に内腸骨分岐部を確認でき,子宮円索(円靱帯)を結紮・切断し,膀胱側腔を大きく展開することにより側方靱帯の外側縁が確保され,閉鎖神経や外腸骨静脈の損傷が予防できると解説されています.
しかし,臍動脈索と膀胱下腹筋膜の全体像はどうなっているのか? 膀胱下腹筋膜はどのような形をしているのか? そして,なぜ前述の手技が上手くいくのか? これらについて詳述されている論文は,見つけることができませんでした.本邦では佐藤達夫先生が本誌上の一連の連載〔泌尿器科手術に必要な局所解剖.臨泌42(7)〜46(6),1988〜1992〕などで膀胱下腹筋膜について解説されています.
*本論文中、[▶動画]マークのあるものにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2023年6月末まで公開)。
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