目でみる耳鼻咽喉科
Plummer-Vinson症候群診療上の留意点
丘村 煕
1
,
稲木 匠子
1
1愛媛大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.244-245
発行日 1992年4月20日
Published Date 1992/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900517
- 有料閲覧
- 文献概要
Plummer-Vinson症候群(以下,P-V症候群)は嚥下困難,貧血,舌炎を主徴とする疾患単位で,Paterson-Brown-Kelly症候群,鉄欠乏性嚥下困難症とも呼ばれる。
本症は40歳以降の中年女性に好発し,食道透視でしばしば頸部食道前壁にweb像が観察される(図1)。放置すると頸部食道に輪状の瘢痕性狭窄を生じて(図2,3),高度の嚥下困難に陥ることがある。さらに下咽頭癌をはじめとする消化器癌発生率の高いこと(図4)が知られており,本症候群に遭遇したなら厳重な長期観察が必要である。
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.