特集 外来診療マニュアル—私はこうしている
I.症状の診かた・とらえ方—鑑別のポイントと対処法
26.構音障害
新美 成二
1
1東京大学医学部音声言語医学研究施設
pp.97-99
発行日 1991年11月5日
Published Date 1991/11/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900389
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話し言葉の,音としての性質に異常のある状態を,構音障害という.つまり構音障害とは構音動作そのものの異常を意味するものではなく,その結果として生じた音の異常の有無によって判断される病態である.しかし,音の異常の原因を考えれば,構音障害は構音運動における正確さ,範囲,速さ,力,リズムなどに破綻をきたした状態である.この認識にたって耳鼻咽喉科の診療の場で構音障害患者を診た場合は,話し言葉の音としての異常を知ることも大切であるが,その音の異常をきたしている構音器官の形態あるいは運動性の異常をよく知る必要がある.
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