診断のポイント
構音障害
神山 五郎
1
1国立聴力言語障害センター
pp.523-525
発行日 1965年4月10日
Published Date 1965/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200773
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はじめに
構音障害という術語はまぎらわしいものである。articulation disordersとも考えられるし,dysarthriaとも考えられる。医学方面ではdysarthriaのことを指す場合が多いようである。
articulation disordersはdysarthriaを含む上位概念で,原因が何であろうとも,構音に誤りがあるすべての症状を指す。たとえば,地方で育つて方言を持つた人が東京に来れば,時にarticulation disordersといわれうる。これに反して,dysarthriaは構音器官といわれている口唇,舌,軟口蓋,咽頭,喉頭などの諸筋の障害,これらを支配する神経の障害,およびこれらの神経のさらに中枢部にある神経の障害によつて生ずる共同運動障害などに起因するarticulation disordersを指す。
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