特集 外来診療マニュアル—私はこうしている
I.症状の診かた・とらえ方—鑑別のポイントと対処法
16.口腔痛
石川 和光
1
,
山口 晃
1
1日本歯科大学新潟歯学部耳鼻咽喉科学教室
pp.63-65
発行日 1991年11月5日
Published Date 1991/11/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900379
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疼痛は,口腔領域における主訴として最も頻度が高く,重要な症状のひとつである.これは,口腔には感覚・運動・自律神経のネットワークが密に張られており,刺激や痛みに対する感受性が強いうえに,口腔は種々の刺激を受けやすい部位であるためと考えられる.従って原因となる疾患の種類も多岐にわたり,いわゆる歯痛や炎症性疾患のみならず粘膜疾患や神経疾患にも比較的よく遭遇する.一方,器質的病変のない心因性の疼痛も少なからず見受けられ,また,頭部や頸部,四肢に関連痛を生ずることもあり,きわめて複雑で難治性の場合もまれではない.
今回は口腔領域の疼痛の原因となる疾患のうち,疼痛を主訴とし,腫瘍を除いて臨床的に比較的よく遭遇する疾患を中心に解説する.
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