トピックス 顔面神経麻痺
末梢性顔面神経麻痺—側頭骨外麻痺について
海野 徳二
1
1旭川医科大学耳鼻咽喉科
pp.553-558
発行日 1990年7月20日
Published Date 1990/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900094
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
顔面神経麻痺で最も多く見られるのは側頭骨内麻痺で,代表的なものはベル麻痺やハント症候群である。これらについては優れた研究がsupple—mentにまとめられているので1,2),側頭骨外顔面神経麻痺について述べる。これに属するものは頻度として少なく,その殆んどは耳下腺と関係したものである3)。耳下腺悪性腫瘍の神経浸潤によって生ずる場合もあるが,腫瘍手術によって起こることも多々あり,耳下腺腫瘍と顔面神経麻痺は切り離して考えることはできない。顔面外傷による麻痺は比較的少なく,耳下腺部の切創によるものが大部分である。本文ではこれらの疾患に対して我々自身が行った診療法や治療方針を振り返り,文献を参照として反省もし,治療方針を確立することを目的としている。最近になって用いられるようになったとか,従来の方法が変更になったとかではないが,これを以てトピックスとしたい。
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.