海外トピックス
北京国際学会に参加して
竹山 勇
1
1聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科
pp.89-91
発行日 1990年1月20日
Published Date 1990/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900015
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1.学会印象記
中国国際観光年に当り,1988年10月,北京医科大学と中華耳鼻咽喉科学会共同での第1回北京国際耳鼻咽喉科学術研究会(Beijing International Symposium on Oto—laryngology,1988)に参加する機会を得ましたので見聞した事柄を記します。学会は1988年10月25〜30日,北京医科大学曲郷城主任教授が会長として主催され,併せて北京医学院附属人民医院,劉芳樫教授の司会のもとに開かれました。会場は北京市の郊外で北約90kmに位置する北京市昌平県小湯山温泉養療院の講堂を使用しておりました。日本からの参加者は33名(学会登録料はU.S.100$,同伴者はU.S.50$)で,演題総数は179題,うち日本人の発表は17題(表2)でありました。紙上発表は24題,うち8題は日本人の報告でした.私共外国人の発表は期間中の中間(10月26日〜27日)の2日間に集中しており,一人,約10分間の講演であり,またこの2日間の各群に座長を指名された方もおりました.米国人も出席予定との事でしたが,その頃,上海でA型肝炎が流行しているとの情報で来中が中止された経緯を後で伺いました。
印象に残った演題のいくつかに触れてみます。Li Zhesheng氏(北京・第3病院)は頑固なメニエール病18例に手術療法を行い,手術方法として内リンパ嚢開放15例,卵円窓開放2例,球形嚢破壊1例でめまいの改善率は70%,耳鳴り,耳閉塞感は50%の改善をみております。この成績は6ヵ月〜28ヵ月(平均9ヵ月)の追跡調査に基づいており,術後に聴力損失(10〜15db)を2例認めています。
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