Japanese
English
特集 伝音難聴を克服する 一歩進んだ診断と手術・人工聴覚器の適応の見極め
《一歩進んだ診断のために》
伝音難聴の聴覚生理
Auditory physiology of conductive hearing loss
麻生 沙和
1
,
山田 啓之
1
,
羽藤 直人
1
Sawa Aso
1
,
Hiroyuki Yamada
1
,
Naohito Hato
1
1愛媛大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
キーワード:
外耳道
,
鼓膜
,
耳小骨
,
伝音効率
,
伝音再建術
Keyword:
外耳道
,
鼓膜
,
耳小骨
,
伝音効率
,
伝音再建術
pp.6-10
発行日 2024年1月20日
Published Date 2024/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411203556
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POINT
●鼓膜は3kHzより低周波数では一体となって振動し,3kHzより高周波数では部位によって異なる振動(多分割振動)となる。
●耳小骨は低周波数では3つが一体となって動き,ツチ骨とアブミ骨は同方向に動くが,高周波数ではツチ骨とアブミ骨は逆方向に動く。
●鼓膜や耳小骨の可動性が低下すると純音聴力検査で低音域の気骨導差(stiffness curve)が生じ,中耳の貯留液や耳小骨の重量が増えると高音域で気骨導差(mass curve)が生じる。
●伝音再建ではⅠ型,Ⅲ型,Ⅳ型の順で伝音効率がよく,Ⅲ型ではコルメラをツチ骨頸部に挿入すると最も伝音効率がよい。Ⅳ型ではアブミ骨底板中央に挿入すると伝音効率が良好となる。
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