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特集 必見! エキスパートの頸部郭清術〔特別付録Web動画〕
目で見て学ぶ エキスパートの頸部郭清術
Techniques of neck dissection: learning from the experts
丹生 健一
1
Ken-ichi Nibu
1
1神戸大学大学院医学研究科外科系講座耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野
pp.878-880
発行日 2023年10月20日
Published Date 2023/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411203491
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進行頭頸部がんに対して化学放射線療法が初回治療として選択されることが多い現在でも,化学療法後の残存・再発病変,後発リンパ節転移に対する救済手術,口腔がん症例および臓器機能の低下や併存症により化学放射線治療を実施できない症例に対する初回治療など,頭頸部がんの治療において頸部郭清術が果たす役割は大きい。
Crile1)が1906年に根治的頸部郭清術を報告して以来,120年近くとなる。その基本概念は,下顎下縁,僧帽筋前縁,鎖骨上縁に囲まれた領域の脂肪組織を,胸鎖乳突筋,内頸静脈,副神経を含めて一塊に切除することにより,同部のリンパ節を徹底して郭清するものであり,現在でも頸部リンパ節転移に対する最も根治性の高い外科的治療である。しかし,頸部郭清術が広く普及し,長期生存例が増加するとともに,術後の頸部の疼痛や上肢挙上障害などさまざまな後遺症が問題となり2),Boccaら3)により提唱された機能的頸部郭清術(functional neck dissection)をはじめとして,「郭清範囲の縮小」や「非リンパ組織の温存」によるさまざまな変法が提唱された4〜6)。現在では,原発巣の部位や進展範囲,リンパ節転移の数や位置に応じた術式が実施されている7)。
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