増刊号 フローチャートと検査一覧で ひと目でわかる耳鼻咽喉科診療
2.鼻科編
異嗅症・悪臭症—異嗅症,嗅覚過敏,悪臭症,幻臭
鄭 雅誠
1
,
森 恵莉
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
キーワード:
異嗅症
,
質的嗅覚障害
,
刺激性異嗅症
,
自発性異嗅症
,
嗅覚刺激療法
Keyword:
異嗅症
,
質的嗅覚障害
,
刺激性異嗅症
,
自発性異嗅症
,
嗅覚刺激療法
pp.138-141
発行日 2020年4月30日
Published Date 2020/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202376
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ここを押さえておこう
●嗅覚障害は量的障害と質的障害に分類され,異嗅症は質的障害の代表的なものであり,さらに刺激性異嗅症と自発性異嗅症に分けられる1).これらの異嗅症は単独で生じることは少なく,量的障害とともに生じ,刺激性異嗅症は感冒後嗅覚障害,自発性異嗅症は外傷後嗅覚障害に合併することが多い.
●その他の質的障害には嗅盲,嗅覚過敏,悪臭症,自己臭症,幻臭,鉤回発作などがある.
●治療は異嗅症の原因に応じてすることとなり,原因の多くを占める感冒後や外傷性嗅覚障害に対しては有効な治療法がなかったが,近年では嗅覚刺激療法が有効である可能性が報告2)されている.また嗅覚過敏,自己臭症などは心因性の要素があることも多く,心療内科への相談も検討が必要である.悪臭症は副鼻腔炎や扁桃炎によるものであり,原疾患の治療を行う.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.