書評
頭頸部のCT・MRI 第3版
本間 明宏
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1北海道大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
pp.773
発行日 2019年8月20日
Published Date 2019/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202170
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本書は,耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の「画像診断」はもちろん,「解剖」,「機能」,「疾患概念」などの豊富な内容を網羅した良書である。基本的なことから,診療に必要な専門的なことまで詳細に書かれており,医学生,初期研修医,そして専門医を目指す後期研修医,すでにベテランの域に達した専門医,つまり,耳鼻咽喉科・頭頸部外科に関わるすべての者に役に立つ本である。初版は2002年に本邦における頭頸部画像診断に関する最初の本格的な教科書として発行された。第2版は7年前の2012年に発行され,非常にわかりやすく充実した内容だったが,第3版はカラーになり,さらに内容もグレードアップしている。
編者の尾尻博也教授(東京慈恵会医科大学放射線医学講座)と酒井修教授(ボストン大学医学部放射線科)は,誰もが知る頭頸部画像診断が専門の放射線診断医である。尾尻教授は,個人的にも親しくさせていただいているが,耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の解剖・疾患について驚くほど精通しており,「画像のみの情報で診断し,臨床医がほしい情報を提供するためには解剖や疾患についても深い理解が必要」という氏の誠実な姿勢が,この本に結実している。また,執筆者も日本の耳鼻咽喉科・頭頸部外科の画像診断では広く知られた放射線診断医ばかりであり,執筆者一覧を見ただけでも内容の濃い本であることが想像されるが,実際そのとおりの仕上がりとなっている。
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