書評
音声障害治療学
大森 孝一
1,2
1京大大学院・耳鼻咽喉科・頭頸部外科
2日本音声言語医学会
pp.670
発行日 2019年7月20日
Published Date 2019/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202148
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長年にわたって日本の音声言語医学を牽引してこられた廣瀬肇先生が『音声障害治療学』を上梓された。廣瀬先生は日本音声言語医学会理事長を10年余り務められ,この領域における臨床,研究の発展に尽力され,優れた医師や言語聴覚士を育成されてきた。特に音声障害の治療に力を入れ,医師と言語聴覚士が協力して行うチーム医療を早くから実践してこられた。今までの臨床経験に基づいて,音声障害の治療に焦点を当てて本書を企画された。
音声障害の治療は,主に耳鼻咽喉科医による医学的治療と,言語聴覚士による行動学的治療に大別される。このうち医学的治療には音声外科治療と薬物治療がある。行動学的治療は患者の望ましくない行動を望ましい行動に変えようとする行動変容をめざすものであり,本書では発声訓練や音声治療を行動学的治療としてとらえ,運動学習理論,認知行動療法について記載している点に特徴がある。
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