増刊号 救急・当直マニュアル—いざというときの対応法
Ⅴ.当直での術後急変への対応
頸部手術後の呼吸困難
星川 広史
1
1香川大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
気道狭窄
,
肺塞栓
,
急性冠動脈症候群
,
Dダイマー
,
バイタルサイン
Keyword:
気道狭窄
,
肺塞栓
,
急性冠動脈症候群
,
Dダイマー
,
バイタルサイン
pp.332-335
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202078
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当直医へのコール
●術後しばらくは呼吸苦を認めず,酸素投与も中止していたが,その後,喘鳴が出現,呼吸苦を訴えているとコール。
➡頸部操作に伴う局所(咽頭・喉頭)の腫脹からくる症状の可能性。
●咳や痰とともに呼吸苦を訴える,呼気の延長や呼吸音が弱くなっているなどのコール。
➡喘息,慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの気道系の疾患がベースにある可能性。
●呼吸苦の訴えとともに唾液や痰に血が混じる,頸部が腫れているなどのコール。
➡出血に伴う呼吸困難の可能性。
●呼吸困難のほかに胸部痛,頻脈や血圧低下などバイタルサインの変化ありとコール。
➡無気肺,気胸,肺塞栓などの呼吸器疾患や心不全,心筋梗塞など,頸部以外に原因がある可能性。
●特に頸部や全身状態に変化は認められないが,酸素投与しても呼吸苦が改善しないとコール。
➡心因的な要因による過呼吸などの症状の可能性。
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