増刊号 臨床力UP! 耳鼻咽喉科検査マニュアル
Ⅶ 嚥下検査
3 嚥下造影検査
津田 豪太
1
1聖隷佐倉市民病院耳鼻咽喉科・摂食嚥下センター
pp.331-336
発行日 2017年4月30日
Published Date 2017/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201284
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●目的
・経口摂取への手段の探索
・誤嚥のリスク評価
・障害部位の同定
・外科的治療の適応検討
目的は大きく2つある。誤嚥の有無とそのタイミングや誤嚥の量,そしてムセの有無や誤嚥物の喀出能力など誤嚥性肺炎や窒息など医療事故につながる部分を精査することで危険性を評価し外科的治療の適応などを求める目的と,嚥下機能の障害された部位の同定とともに,姿勢・食内容・量・タイミング・代償機能などを評価して,経口摂取への手段を求める目的がある。いずれも重要な視点であり,常にこの2つを念頭に置き検査を行うべきである1,2)。
●対象
・摂食嚥下障害を疑う患者
特に,嚥下内視鏡で早期咽頭流入が高度に認められる場合や,咀嚼中に誤嚥が認められる場合,嚥下時の頸部視診で喉頭挙上が不良な場合などで有用である。
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