増刊号 臨床力UP! 耳鼻咽喉科検査マニュアル
Ⅵ 腫瘍の検査
6 遺伝子検査
家根 旦有
1
1近畿大学医学部奈良病院耳鼻咽喉科
pp.306-312
発行日 2017年4月30日
Published Date 2017/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201279
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●目的
・がんの診断
・遺伝性疾患の診断
・治療効果の予測
・薬剤の副作用の予測
疾患の早期発見・予防のほか,本人だけでなく血縁者の健康管理も重要な目的の1つである。
●対象
遺伝性腫瘍はすべてのがんの約5%と考えられている。その臨床的な特徴として,
①若年発症性(がんの平均発症年齢より若く発症)
②多発性(1つの臓器に複数のがんを発症,あるいは両側性,複数の臓器に原発性のがんを発症)
③家族内集積性(血縁者に特定の遺伝性腫瘍の関連がん罹患者が複数名いる)
が挙げられる1)。遺伝性腫瘍に対して遺伝子検査を行う目的は,疾患を早期発見することや予防することであり,本人だけでなく血縁者の健康管理も重要な目的の1つである。ただし,生殖細胞系列遺伝子検査を行うにあたっては遺伝カウンセリングが必要とされる。
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