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特集 嚥下障害の完全マスター
嚥下障害の外科的アプローチ—誤嚥防止術—いま医療現場で求められる役割と術式
Surgical closure of the larynx for severe dysphagia
鹿野 真人
1
Makoto Kano
1
1大原綜合病院耳鼻咽喉科・頭頸部顔面外科
pp.304-311
発行日 2016年4月20日
Published Date 2016/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200867
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POINT
●高齢化と胃瘻普及のなかで誤嚥防止術は従来の位置づけを越える重要な役割を担うことができる治療法として,新たな認識が求められている。
●高齢者の誤嚥防止術の適応は経口摂取への強い希望,在宅介護の継続や施設入所・継続の希望をも十分に考慮して,本人・家族の同意のもと決定すべきである。
●高齢者に対する誤嚥防止術に求められる条件は,低侵襲,どんな頸部の状態でも施行可能,嚥下に有利な術式,安全で負担の少ない気道管理ができることである。
●新しい種々の術式の特徴として,手術操作範囲の縮小による低侵襲,輪状軟骨の鉗除や輪状咽頭筋の切断による嚥下改善,輪状軟骨鉗除による気管カニューレフリーが挙げられる。
●医療現場での期待に対して,安全で効果の高い新しい術式を耳鼻咽喉科医の多くがマスターし,さらに誤嚥防止術の施行できる施設が増えることが求められている。
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