増刊号 こんなときの対応法がわかる 耳鼻咽喉科手術ガイド
Ⅳ.喉頭・下咽頭の手術
声帯ポリープ:マイクロフラップ法
平野 滋
1
1京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.164-167
発行日 2015年4月30日
Published Date 2015/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200606
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症例呈示
声帯ポリープは通常一側性に声帯膜様部に発生する。子どものポリープは稀であり,通常成人に発生し,明らかな男女差はない。ポリープの性状はバリエーションが多く,出血性(赤色),非出血性(白色),有茎性,広基性など多彩である。
呈示症例は56歳,男性。職業は建築業,喫煙者で,疾患は右声帯ポリープである(図1)。もともと嗄声気味であったが,数か月来,悪化し改善しなくなったため受診した。声は主に粗造性嗄声であった。喉頭内視鏡検査で,右声帯に若干赤色調の広基性ポリープと,その前後に微小血管病変(拡張血管)を認めた。対側声帯にも微小血管病変が認められ,日常的な音声酷使や誤用が推定された。
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