増刊号 こんなときの対応法がわかる 耳鼻咽喉科手術ガイド
Ⅱ.鼻副鼻腔の手術
視神経管開放術
児玉 悟
1
1大分大学医学部耳鼻咽喉科頭頸部外科
pp.107-111
発行日 2015年4月30日
Published Date 2015/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200592
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はじめに
視神経管開放術(減圧術)の適応症例は,顔面・頭部外傷による視神経管への介達性外傷性視神経障害,視神経管骨折や損傷,それに伴う視神経浮腫,さらに腫瘍や囊胞などにより視神経が圧迫され,視力障害をきたした場合などが主な適応になり,視神経管骨壁の一部を除去することで,骨折片による圧迫あるいは出血や浮腫,腫瘍による神経の圧迫を軽減させ,視機能の改善を図る手術である1)。視神経管へのアプローチ方法としては脳外科的な開頭による経頭蓋内法もあるが,内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)の発展により,最近では経鼻内視鏡下に行われることが一般的となってきた。しかし,実際に内視鏡下視神経管開放術を行ったことのある術者はそれほど多くないと思われる。
本稿では鼻性視神経症・視神経炎症例を呈示し,視神経管開放術の手技と注意点について述べる。
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