トピックス 鼻閉の新しい治療法
レーザー手術
熊沢 忠躬
1
,
三谷 武生
1
1関西医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.537-540
発行日 1988年7月20日
Published Date 1988/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200181
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I.はじめに
鼻閉に対する治療は古くから,腫脹した粘膜を取り除くという考え方からの手術療法と,炎症反応あるいはアレルギー反応を抑え腫脹を取り除くという考え方による保存療法とに二大別されている。保存療法は最近薬理学の発展に伴い飛躍的に進歩してきている。しかし保存療法で効果を示さない症例に対しては下甲介切除術,鼻内整形術を,アレルギー性鼻炎に対してはさらにVidian神経切断術などの手術療法を施さなければならないという点は今日でも変わらない。これらの症例に対して,手術療法を受ける側,すなわち患者の負担を少しでも軽減して行きたいとして,凍結手術や電気凝固法など外来でも施行可能なものが考案されてきた。しかしこれらの方法でも疼痛,出血による患者の負担は必ずしも小さいものではなかった。そこで小児に対しても容易に施行できる,疼痛,出血のない外来手術を,という考えに基づき筆者らにより考案されたのがこれから述べるレーザー手術である。
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