増刊号 画像診断パーフェクトガイド―読影のポイントとピットフォール
部位別診断法
Ⅳ.喉頭・気管・食道
喉頭癌
齋藤 康一郎
1
,
矢部 はる奈
1,2
,
宇野 光祐
1
1慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科
2川崎市立井田病院耳鼻咽喉科
pp.254-263
発行日 2014年4月30日
Published Date 2014/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102844
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画像診断の狙い
悪性腫瘍に限らず,喉頭疾患の診断に際しては,内視鏡検査の威力は絶大である。悪性腫瘍の診察時は,疾患の進展範囲や声帯の可動性の診断のためにも,内視鏡検査は必須である。また,喉頭癌のなかでも最も頻度の高い声門癌の場合,ストロボスコピーを併用し,病変部分の粘膜波動を慎重に観察することで,微小な病変であっても悪性を疑い,診断精度を向上させることが可能である。さらに,悪性腫瘍を疑った場合に行われる,喉頭微細手術のセッティングでの検査は,組織診断のみならず,深部浸潤を含めた疾患の進展範囲を見極めることも目的としている。検査に際し,顕微鏡の接線方向となる声門上,あるいは死角となる喉頭室や声門下の慎重な観察のためには,内視鏡の併用も有用である。喉頭癌を取り扱うに際しての画像診断の狙いは,これらの内視鏡検査や喉頭微細手術では診断が困難な深部・軟骨への浸潤や喉頭外への進展に関する情報を得,さらには転移の検索を行い,正確に病態を把握することにある。
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