増刊号 画像診断パーフェクトガイド―読影のポイントとピットフォール
部位別診断法
Ⅰ.耳・側頭骨
内耳奇形と高位頸静脈球症,側頭骨内頸動脈走行異常
片岡 祐子
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科
pp.89-97
発行日 2014年4月30日
Published Date 2014/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102813
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画像診断の狙い
小児で難聴やめまいを呈する症例のうち数%から20%程度が,なんらかの内耳奇形を有すると報告されている。奇形の種類によっては,難聴の進行や反復性髄膜炎などの原因となるものもあり,正確な画像診断を行い,フォローアップや治療に繋げていくことが必須となる場合もある。また高位頸静脈球症,側頭骨内頸動脈走行異常はそれほど頻度が高い疾患ではなく,通常無症状であることが多いが,鼓膜切開を行う際に大出血を起こし,重篤な合併症の原因となる可能性もあるため,このような疾患や解剖学的位置を理解しておくことは重要である。本稿では内耳奇形,血管走行異常の診断のポイントについて概説する。
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