特集 急患・急変対応マニュアル―そのとき必要な処置と処方
Ⅳ 疾患ごとの救急処置法・処方
■炎症/感染症
深頸部膿瘍
鈴木 賢二
1
1藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.222-225
発行日 2013年4月30日
Published Date 2013/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102480
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Point
◆頸部腫脹,局所の熱感,発赤,疼痛,開口障害,嚥下障害,発熱,嗄声などを訴え,気道狭窄症状の存在には窒息の危険もあることから特に注意を要する。
◆初期治療を誤ると重篤な縦隔炎,縦隔膿瘍,肺炎,膿胸,心囊炎,静脈血栓や髄膜炎,脳膿瘍などに発展し,さらには敗血症,播種性血管内凝固,多臓器不全,頸胸部大血管破裂などの致命的な経過をたどることもあるので注意が必要である。
◆起炎菌として嫌気性菌が60%ほど関与しており,嫌気性菌にも有効な抗菌薬を選択する。
◆最も大切なことは,早急に病状を把握して縦隔・胸腔内や頭蓋内への炎症波及を食い止め,窒息や大血管破裂の危険を回避することである。
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