Japanese
English
特集① 睡眠医学と耳鼻咽喉科
いびきとその対応
Management of patients with snoring
片田 彰博
1
Akihiro Katada
1
1旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.721-726
発行日 2012年9月20日
Published Date 2012/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102272
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Ⅰ はじめに
いびきは睡眠中に生じる生理現象の一つで,疲労時や飲酒時などに限って出現する散発性のいびきと睡眠中には必ず出現する習慣性いびき症がある。習慣性いびき症は中途覚醒反応や換気量低下の有無によって,単純いびき症と閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome:OSAS)に伴ういびき症に分類される(図1)。また,いびきの病態は同一個人であっても,睡眠深度,睡眠中の体位や枕の高さなどの物理的な影響,飲酒や睡眠薬服用などの生理的影響を受けて,日々変化するものである。したがって,覚醒時に行う短時間の診察ではいびきの原因や程度を把握することが非常に難しい。しかし,いびきの出現は上気道に病的な狭窄部位が存在するサインと考えるべきであり,その背景にOSASが存在するならば,全身的にも多大な悪影響が及ぼされている可能性が高い。また,OSASを伴わない単純いびき症であっても,いびきが環境騒音となって他人の睡眠を妨げることも多く,OSASの有無にかかわらず,とにかくいびきを治療したいと病院を受診する患者も少なくない。本稿ではそのようないびきの発生要因や増悪因子,さらに耳鼻咽喉科医としてのいびきへの対応について解説する。
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