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特集① 睡眠医学と耳鼻咽喉科
睡眠時無呼吸症候群とその対応
Sleep apnea syndrome―Current definitions and treatment strategies
鈴木 雅明
1
,
三枝 華子
2,3
,
堅田 浩司
1,4
Masaaki Suzuki
1
1帝京大学ちば総合医療センター耳鼻咽喉科
2帝京大学医学部溝口病院耳鼻咽喉科
3溝の口駅前睡眠クリニック
4千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学教室
pp.715-720
発行日 2012年9月20日
Published Date 2012/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102271
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Ⅰ はじめに
睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome:SAS)の成人における臨床症状は日中傾眠,熟睡感の欠如,集中力の欠如,倦怠感が認められる。肥満やメタボリックシンドロームが背景となっていることで知られているが,鼻咽腔疾患や日本人の場合,顎顔面骨格の問題が原因となっている例も多い。成人SASは心房細動,狭心症,脳血管疾患などの心臓,心血管,および脳血管疾患に発展してゆくことが注目されている。一方,小児における臨床症状はアデノイド顔貌,漏斗胸,多動,落ち着きのなさ,いらいら感,集中力の欠如などが挙げられる。注意欠陥多動性障害(attention deficit/hyperactivity disorder:ADHD)や,広汎性発達障害(pervasive development disorder:PDD)との合併例が最近注目を集めている。小児SASは,軟組織・顎顔面骨格の成長,学業成績,また心臓血管系に影響をもたらすことが指摘されている。
本稿ではまずSASの分類と定義については耳鼻咽喉科関連の他誌や成書ではあまり明確に記載されていないため,紙面を割かせていただきたい。そのうえでSASの対応について,項目を選定しそれぞれについて解説する。
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