特集 最新の診療NAVI―日常診療必携
Ⅻ.特殊疾患診療NAVI
2.Behçet病
内田 真哉
1
1京都第二赤十字病院耳鼻咽喉科
pp.332-336
発行日 2012年4月30日
Published Date 2012/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102183
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Ⅰ 疾患の概説
ベーチェット病(以下,BDと略す)はシルクロードに沿った地帯から,韓国・日本に多くみられる多臓器侵襲性の難治性疾患である。20~40歳以下の若年者に多く発症し,口腔粘膜のアフタ性潰瘍,皮膚症状,眼症状,外陰部潰瘍の4つを主症状とし,急性炎症発作を繰り返しながら遷延した経過をとる。
BDの報告は紀元後200年頃,中国の漢方医・張仲景により「弧惑病」として示されたといわれているが,西洋医学においてはトルコのHulusi Behçet1)により報告されたのが最初である。いまだ明らかな病因は不明だが,環境的素因や遺伝的素因などが考えられている。
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