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特集 特殊疾患への対応
Behçet病
Behçet's disease
内田 真哉
1
,
出島 健司
1
Masaya Uchida
1
1京都第二赤十字病院耳鼻咽喉科・気管食道科
pp.289-293
発行日 2011年4月20日
Published Date 2011/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101790
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Ⅰ.はじめに
Behçet病(以下,BDと略す)は紀元後200年頃,中国の漢方医,張仲景により『弧惑病』として示されたといわれているが,その後は久しく報告がなく,1937年,トルコのBehçet1)により改めて報告された多臓器侵襲性の難治性疾患である。口腔粘膜のアフタ性潰瘍,皮膚症状,眼症状,外陰部潰瘍を4つの主症状とし,急性炎症発作を繰り返しながら遷延した経過をとることが特徴である。本稿では,BDの一般的な事項とともに,耳鼻咽喉科医にかかわりの深い,早期診断,口内炎に対する局所治療,軽症BDの管理,扁桃摘出術の適応およびBDの難聴などについて論述する。耳鼻咽喉科医には意外となじみの薄い疾患ではあるが,ほとんどが口内炎で初発するため,早期のBD患者をそれとは意識せずに診ている可能性は高い。反省の意味をこめて最新の知見を確認しておきたい。
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