特集 最新の診療NAVI―日常診療必携
Ⅹ.アレルギー性疾患診療NAVI
2.アレルギー性真菌性副鼻腔炎
野田 謙二
1
,
鈴木 正志
1
1大分大学医学部医学科耳鼻咽喉科
pp.297-301
発行日 2012年4月30日
Published Date 2012/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102176
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Ⅰ 疾患の概説
アレルギー性真菌性副鼻腔炎(allergic fungal sinusitis:AFS)は真菌に対するⅠ型・Ⅲ型アレルギーにより発症し,副鼻腔粘膜や鼻茸中に著明な好酸球浸潤をきたす再発率の高い難治性副鼻腔炎である。
1981年Millarら1)によりallergic aspergillosis of the maxillary suinusesとして最初に報告され,その後,Katzensteinら2)によりallergic aspergillus sinusitisとして報告された。さらにアスペルギルス以外の真菌でも同様の病態を起こすことから1989年にAFSと命名された3)。現在では副鼻腔炎は鼻炎より起こることが多く,その病態が副鼻腔にとどまらないことからアレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎(allergic fungal rhinosinusitis:AFRS)ともいわれている4)。
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